1914 年頃に町家を洋風に改築したもの。内部は和館ですが 2 階の診療室や技工室は和洋折衷。政界引退後に富士川村や蒲原町に隠遁した土佐勤王党出身の政治家・田中光顕も患者として訪れたとのこと。広い窓を配して採光性・換気性を高めた明るくて広い診療室には、往年の診察椅子が据え付けられています。
1878 年に前橋に群馬県衛生所兼医学校として建てられた擬洋風の建物。1979 年に衛生所が、1881 年に医学校が廃止された後は各種学校や群馬県農会などに転用され、1928 年に相生村役場として当地に移築。2 階正面ベランダ上部に設えられた、過剰な装飾に菊紋を配した破風が擬洋風感満点。
水海道町役場として 1913 年に建てられた下見板張の木造建築。窓が上下二段に配されているので 2 階建に見えるが、実際には平屋。設計は大工棟梁上高金四郎で、いわゆる擬洋風建築に分類される建物。「二水」の名は、附近を流れる鬼怒川と小貝川の 2 本の河川に因む。
1883 年に本庄警察署として立てられた木造 2 階建の擬洋風建築で、現在の姿は 1980 年に建てられた当時の姿に復原したもの。車寄せの上にベランダ、その上にペディメントという明治期に流行ったスタイル。本庄市立歴史民俗資料館として使われていたが、資料館は 2020 年 2 月 29 日で閉館。
元は 1875 年に睦沢村亀沢に建てられた小学校 (睦沢学校) の校舎。設計は下山村の大工集団・下山大工の松木輝殷。名前の「藤村」は、県内に擬洋風建築を多数残した県令・藤村紫朗に因む。外壁は白漆喰塗の大壁で、ベランダの黒塗りの柱や、窓周り及び隅石形に使われた黒漆喰との組み合わせが美しい。宝形造の屋根に載る太鼓楼が何とも擬洋風感。
コロニアル様式の瀟洒な洋館。外壁はドイツ下見板張り。創建当時の屋根は天然スレート葺だったが、現在はカラー銅板平葺。1955年には行幸された昭和天皇の休憩所としても使われた。元々は現在の横浜ゴム平塚製造所内(追分2-1)にあったが、2004年に現在の場所に移築。スタッフによる解説あり。南ベランダに面する展示室の上げ下げ窓を実際に操作可能なのが貴重。
1885 年に東山梨郡日下部村小原西に東山梨郡役所として建てられた擬洋風建築で、いわゆる藤村式建築の代表作。玄関両脇の黒漆喰は藤村記念館を連想させる意匠。ちなみに小原西は現在も山梨市の地名として残っていて (東山梨駅の西側)、山梨市役所もある山梨市の中心地区となっています。
1888 年に三重県尋常師範学校本館として建てられたもので、現存するのは中央玄関部分と右翼のみ。設計は清水義八。ペディメントの破風板や玄関アーチに施されたフリル様の植物模様がお洒落。
1877 年に八幡東学校として建てられた木造 2 階建・瓦葺の擬洋風建築。棟梁は日牟禮八幡宮も担当した宮大工・高木家の高木作右衛門。六角形の太鼓楼が文明開化感を醸し出す。
1923 年に株式会社烏山病院として建てられた木骨モルタル造 2 階建、切妻屋根の擬洋風建築。縦長の上げ下げ窓や半円のドーマー窓はドイツ表現派建築の影響らしい。病院らしからぬモスグリーンの壁色は後世の改変かと思われるが、結構渋めでいい感じ。
児童数の増加に伴い、1881 年に水海道小学校本館として建てられた木造 2 階建寄棟、桟瓦葺の擬洋風建築。「どうせ建てるなら警察に負けないくらいの立派なものを」ということで、町民融資の寄付金 5,000 円で建てられた。設計・建築は水海道の宮大工・羽田甚蔵。中央に聳える八角塔、エントランス上に大きく張り出したバルコニー屋根の唐破風などが見どころ。裏口上にもこっそりポーチが設けられている。
1908 年に沼田貯蓄銀行本店社屋として建てられた木造 2 階建・桟瓦葺の洋風建築。白漆喰に萌葱色を配した色使いはこの時代の流行り。玄関及びバルコニーのアーチや玄関ポーチの柱に用いられた擬石塗り、屋内を装飾する漆喰鏝絵などに和の左官技術が生きる。内部も元銀行の造りをしっかり残していて見応えあるにもかかわらず見学無料。
レトロ建築に見えるが実は 2004 年に建てられたもので、RC 造 2 階建。かつて当地にあった煥章学校 (1873 年開校) に 1876 年に建てられた擬洋風の校舎をモデルにしたもので、外観はほぼ完全に再現されたという。バルコニーを巡らせた白漆喰と萌黄色の建物はレトロ感十分。内部は近代的でレトロ感は薄い。
1910 年竣工の木造 2 階建入母屋造瓦葺、下見板張の建物で、館林城二の丸での新工場建設時に本館事務所として建てられた。小屋組を基本とした和の技法に基づく内部構造を用いつつ、外観は洋風に倣った擬洋風建築。暖色の壁面に玄関ポーチの銅板屋根がいい色彩のアクセント。「モスリン」は漢字では「毛斯綸」と書き、日本では羊毛による平織り薄手の毛織物を指す言葉。
スティックスタイル (木骨様式) を採用した下見板張、桟瓦葺の洋風建築で、1904 年の竣工。設計は旧土浦中学校本館や旧水戸商業高校本館も手掛けた駒杵勤治。現在は資料館として秋に一般公開。
伊勢崎藩の藩医などを務めていた今村家が、1912 年に今村医院として建てた擬洋風建築。木造 2 階建桟瓦葺で、外壁は箱目地下見板張り。玄関ポーチ上のバルコニーや窓上の飾りが印象的。診察室と薬局が洋室、それ以外は和室。
東京医学校が 1876 年に神田和泉町から本郷本富士町 (現在の東大本郷キャンパス) に移転した際に本館として建てられた擬洋風建築。木造二階建桟瓦葺で、紅白に塗り分けられた壁面、二つのドーマー、中央の塔屋など諸々印象に残る建物。エントランス上部のバルコニーの手摺には何気に擬宝珠が配されている。1965 年に解体され、1969 年に当地に移転。現在は東京大学総合研究博物館小石川分館として利用。
